第3話母は家出する


新選組!の第3話です。
今回の舞台は主に試衛館。
タイトルから見せたかったのは母と勇の確執→勇の決意という感じでしょうけど、他にも動いている物語がチラホラ。



・幕末
ついに橋本左内とまでも友達になってしまった勇。
公式サイトで脚本の三谷さんが語っているのですが、近藤勇坂本竜馬の友情は大河ドラマ通しての物語の横軸となるそうです。
若いウチから志士としての活動に結びつくことをいくつもして様々な人脈をもっていた坂本竜馬を物語の中心近くに据えるのは物語を進める手段としてはかなりわかりやすい。勇達が道場で剣振り回してるのが大体いつごろなのかっていうのが、ナレーションじゃなくてもそれなりに日本史がわかっていればわかるから。
同じようなからみで、来週は芹沢鴨が微妙に桜田門外の変にからむようで。
で、左内や竜馬の話を聞きながら俺はこんなちっぽけでいいのか、と考える勇。でも周りの状況は否応なく現実をつきつけるわけですよ。
日本の行く先を考える坂本竜馬を見送れなかった近藤勇っていう構図は、多分まだ、勇にとっては日本よりも身の回りの状況ということでしょうね。
でも、そうせざるを得ない自分の環境にも少し苛立っているみたいで。


土方歳三
まぁ、漢方薬なんてのはそんなもんですけど「アレ効かないんだわ」発言はいいタイミングで出ましたね。
気前よく勇に配ったり、パフォーマンスしてサクラ雇って路上で売ったり、道場破り→薬売りなんて詐欺まがいのことしたり、土方歳三石田散薬というのをかなり印象付けといて、「効かない」としてぶっすり切り離す。
やっぱり土方=薬売りではないんだよ、という演出にもなりますよね。多分、今後石田散薬なんて言葉は出てこないでしょう。
土方は多分近藤に次ぐレギュラー扱いとしてずっと出てくるのでしょう。ただ、今のところみていると、土方は近藤に憧れてはいても、微妙に強くなりたいとか武士になりたいという思いは近藤のそれとは違うような気がします。
今までは先に武士になってしまった近藤へのコンプレックスみたいな風にしか見れないですけど、二人は「死ぬまで多摩の百姓」ですからどう、違っていくのか、少し楽しみです。



・近藤家
今回の話の主軸はここですね。
武家ですけど、みんな農民出身近藤家。
母ふでは、苦労して手に入れた武士に身分に易々とおさまる勇が気に入らないということです。だからあえて「宮川勝五郎」なんですね。
一方父周作は、勇と同じように養子で門下から入ったようなので、やっぱりふでの気持ちはよくわからないんでしょうね。
二人の出自にそういう違いがあって、性格的なものもあって周作はふでに頭があがらないんでしょうか。
ただ、結局史実ではこの縁談で決まりますし、次回の予告を公式サイトで見てみても縁談は進んでいます。
ふでは結局承諾したっていうことなんでしょうか?あの友達の言葉と周作の態度で。



ん〜、先週の人を斬った話のときもそうですけど、少し人の感情に対するフォローが薄いような。人の言葉で簡単に気持ちが切り替わればだれも苦労しないわけで。
ただ、まだ次の実戦がないので勇の心がどうなっているのかっていうのもわかりにくいですし、来週になれば、またふでが機嫌が悪いのかもしれませんが。
まぁ、作品のテーマやエンタメはそこに求めていないようなので、やんわりタッチしておくだけでいいのかも知れないんですけどね。



さて、今週は近藤家を掘り下げしつつ、土方が剣の道に入り、幕末の風も吹き始めました。
来週はさらに幕末旋風が吹き荒れるそうで、芹沢鴨斉藤一の登場、そして桜田門外の変です。