第32話「山南脱走」

1ヶ月半ぶりですね。新選組!感想。

・全編死亡フラグ
今回のウチに山南さん死んでしまうかと勘違いしておりまして、死亡フラグ演出に対して結構必死に涙を溜めていたんですが、結果は来週に持ち越し。ざんねーんー。いや、一話45分かけて切腹するんだから今度こそ泣くな。インテリキャラは結構好きだからなー。伊東は嫌いなインテリだけど。

沖田総司の想い
医者には無理しなければそれなりに長生きできるとは言われているのに、見回りに出るわ稽古はするわ馬にはのるわ、今の感覚から言えば微妙にどうかしてると取られるのかしら?残り少ない命だからこそ、生き急ぐんでしょうね。
語られていませんが総司は幼少の頃に両親を亡くして長いこと姉のミツ夫婦に育てられていたそうで、ミツ夫婦にはそれなりの負い目とかもあったそうです。そこから剣の才を買われて近藤道場の住み込み門弟になったとか。だから、総司にとっては近藤は親であって兄である存在だったと思うんですよ。今よりも何倍も人同士の繋がりが濃くて大切だった時代なだけに。やっぱり、先に短い自分にとってはそんな近藤の為にできることは命削ってでも、剣を振ることしかなかったんでしょうね。山南さんもそんな総司を見抜いていて、去る自分が何かを残したかったのかもしれない。

・ギャグメーカーか?
いつの間にか永倉と原田がセットの扱いになってますね。最近ヤングサンデーでやってる新選組漫画「月明星稀」でもセットだし、新選組内でこの二人仲良しってのはリアルであった話なのかな?まぁ、試衛館時代からして、生え抜きじゃなくて、政治的な何かがないってなると永倉、原田、斎藤しか残らないしね、斎藤はなんだか謎めいているし。

・鬼の副長、土方歳三
山南がらみになるとなんがか超ヤな奴ですけど、無理してるんだろうなぁ〜、と。山南脱走が発覚したときに土方が蹴った将棋盤は深読みしたら山南と土方の関係を示していたのかもしれない。二人は政敵のように見えるけど好敵手のような関係だったんじゃないだろうか?好意的に土方の隊編成を解釈すれば、隊内のことについて過剰に過激になりがちな自分を制御してくれるのは同格に据えて、部下のいない立場においた理屈を操る男、山南敬介だけだと思ったんじゃないだろうか?江戸からの仲間のほかの連中は剣術バカしかいないので理屈で自分が負かしてしまうから。でも、結局法度にがんじがらめになってしまってそれも叶わなくなってしまったわけですね。これからもことあるごとにザックリザックリいってしまうわけかぁ。凹むわぁ。

・江戸時代の武士=官僚=サラリーマン
佐々木只三郎にはまったくそれがあてはまるわけで、一応会社で良識派の現場の筆頭として社内外で有名だけど、それでもやっぱり会社の言うことが第一だし、会社を超えてものを考えることをしないわけですねぇ〜。明治維新ってのは会社を超えて(脱藩したり藩を内部から変えたり)物事を行った連中が起こしたものですけど、結局やっぱ明治の閣僚や官僚は薩長土肥出身者で占められたと言うし、会津をはじめとした東北は長いこと政府にいじめられたというから、それが日本人の形として長い間に染み付いてしまったのかもしれないなぁ。
ただ、作中佐々木にこういう立場を取らせて近藤をたしなめるっていうことはネガティブな思想として扱っているみたいですね。会津公もなんだか受け入れられないみたいな顔してたしな、近藤の新しい攘夷論には。


・今週は
こんなとこで。来週は新見錦芹沢鴨に続く重要人物の死です。前の二人の死が、生きるものに与えた影響(特に次の山南さん)はかなり大きいので、山南さんの切腹っぷりにも涙溜めて期待します。予告じゃちゃんと裃着てたし、介錯は総司だっ。近藤、土方に大きなものを遺してください。