ブレイブ・ストーリー/宮部みゆき

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

映画公開には間に合わなかったけど、通勤電車のなかで細々と読みきった。
ハリーポッター指輪物語ナルニア国物語ゲド戦記も、ドラクエのノベライズですら読んだことないファンタジー童貞の僕が始めて手に取ったのは映画になった「ブレイブ・ストーリー

分厚い文庫で3冊。ちょい薄めにしてスニーカーで4冊。これだけがすべて続き物のお話なのだか恐れ入る。
僕がオタク現役だった頃の爆れつハンターなんかは1冊の厚さは半分でしかもやたら改行が多くて下半分がメモ帳に使えるんじゃないかと思うくらいの内容だったのに。


僕らと時間軸を同じくする”現世”と現世の人びとの思いで綴られる異世界”幻界”。現世の人間が幻界に渡り”運命の女神”の住まう”運命の塔”へ辿り着けば自らの運命を変え、幸福な報われるものとすることができる。幻界に渡るには10年に一度開かれる扉を「運命を変えたいという強い意志」を持ってくぐらなくてはならない。

そうして、少年ワタルの冒険は始まるのだ。

ドラクエ8のキャッチコピーは「見渡す限りの世界がある」だった。それを文章にしたのが”幻界”の風景だと思ってもらっていいと思う。獣人やヒトやドラゴンの暮らす世界、町はそれぞれ固有の産業があり、そこに暮らす人々はそれぞれがそれぞれに役割を持って生きている、まるで90年代前半のRPG全盛記の世界観。そこを少年ワタルと一緒に僕らは冒険していくのだ。

ワタルの道程については正直、すべてが驚きの面白さなので触れないで置こう。ただ、映画版のコピーである「これは僕の勇気の話」というのは結末をすると、よく沁みる言葉であります。

アニメ映画もいいけれど、この世界観を正統派RPGにして欲しいと思ったのは僕だけではないはずだ。