なぜコロシてはイケナイの?/高橋健 氏

まず始めに言っておかなくていけないのは
実はこの本は自費出版の本であって
今のところ200部程度しか刷られていないのであって
作者の高橋さんは増刷しているようなことを言っている気もするけれど
ちょっとこれからの入手は難しいと思われるということです。
普通、reviewというのはこれを参考にして
それを見たり買ったりする参考にしたり
感想を共有したりするものなので
今から書こうとしている文章は
reviewとしての体を成さないかもしれないのだけれど
それでも、僕は書きたいので書く。それがwebってもんだ。

この本は以前、旧マサミチックのマニアックというコンテンツで書いた
「何故人を殺してはいけないのか?」というテキストを
書くきっかけになった文章なのです。
今もmasami内に残ってます→ココ(別ウィンドウ)

テキストを読むと書いてあるのですが、僕が当時読んだのは
web上にアップされたものでした。

一人の少女が「人を殺したい」ということを高橋さんにメールをしたのが
始まりで、その少女に対して送られた様々な文章を載せていました。
この本は、それに高橋さんの補完するような文章をつけ本にしたものです。

僕は少女にメールを送ることも、助けることも出来ませんでしたが
その考えは残すにしかるべきだと考えて購入を即決しました。
200部、即日完売だったみたいです。

内容の殆どが、少女に対する色々な人からのメールです。
中には頭から否定するものもあり、
赤の他人の僕ですら微妙にムカつくものもあったのですが
大半は非常に心というか魂というかそういうものが揺さぶられるものが多く
「人を殺す」ことなんて考えたこともないような僕でも
命や家族について考えました。

そして、印象に残ったのは

考え続けろ

ということ。疑問に思ったことはとことん突き詰める。
納得行かないことは問いただす。
それでも答えが出ない問題があることを知る。
それでも考え続ける。

僕はそういうことは知っているつもりでした。
でも違うんです。安易なデジタルな答えに収まっていたんです。
人はアナログで不安定で難解なものなんです。
自分も他人も。

僕は幸せに生きてきました。これからも幸せに生きていく自身があります。

そう、考えた本でした。
ある少女へ宛てた手紙の中には
必ず自分の中にある言葉とハマルものがあると思います。

TBNさんの内のページだけでも十分見る価値はあります。
どうせタダです。見てください。
近くの人は本貸します。3時間ほどで読み終わるものです。

すごく、爽快な気分になれる本です。
残念なのは気楽に普通に買えるモノじゃないってことです。

     円(値段はつけられません。1200円で買ったんですが安いです)